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私が吐き出したものは、何色でしたか?
あなたが持っていたものは、何色でしたか?
ただ、その冷たい瞳が悲しかった。
明日を知らないその目を見たとき、私は呼吸を止めた。
何度も何度も、繰り返し深呼吸をして。
何度も何度も、その背中に涙して。
私があなたにしてあげれたことは、なんだったのでしょうか?
生きているのに悲しくて、私はそんなあなたを友として愛するしか考えつかなかった。
一緒に隣を歩き、話し、笑い、泣き、色の濃い日々だった。
そこであなたが吐き出した嘔吐物は、私の心を抉るような、無色透明なもので。
いてもたってもいられなくって、私はあなたを抱きしめたの。
そのとき異様にくしゃみが止まらず、体温を感じさせない体に不安を覚えた。
ホコリを被ってるなら、それを全部はわいてあげる。
寒いのに寒いと自覚してないのなら、言葉で教えてあげる。
「無理なんかしないで。」
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