初め

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「人は時として良心の呵責にさいなまれる事がある…おまえのためだよ…」 彼は腹に突き刺さった剣の刃を指が切れて落ちてしまうのではないかと思う程の力で握っている、呼吸も困難になってきているようだ、 ここももう崩れる…そんな事を考えていると彼は私の右脇腹を蹴り飛ばしてきた私はたまらず吹き飛ばされ、その際彼を刺していた剣を離してしまった、 私はいきなりの衝撃と軽装であったため呼吸ができなくなる、朧気な意識の中彼はこう言い放つ、 「この剣はもらっていくこれで彼女と身まで一緒だ…」 そこで彼はうなだれて事切れた、 ふと私は考える、彼は幸せだっただろうか、彼女の意志を自分なりに考え行動し私に意志半ばで断たれた… 私なら悔しいであろう… しかし彼は幸せそうな顔をしていた、なぜだろう… ーーーーーーーーーーーーーー 世界の約六割が砂漠、もしくは人が足を踏み入れただけで「毒」によって数日と保たず絶命してしまう程の汚染された大地になってしまっていた、それにもかかわらず、人々は争いを止められずにいた、 世界は五つの国に分かれており、 一つは「宗教」いわゆる神の意志で政治全てが決まっていて人以外は全て存在する事すら許さぬ「オーラ」、 一つはマナの大樹(未確認)を中心に国土の約九割が森で覆われていて国民?全てが人ではなく獣人もしくは獣しか住んでいなく紛争そのものに縁がない「クオーン」、 一つは高い無機質な城壁に囲まれ、最先端の技術と科学を持ちその国に自らの身体を検体として差し出したならば安らかなる永住をを売り文句にしている「ミシナ」 一つは人と獣人が分けへだて無く生活しており、商業が一番盛んな国であるが一見華やかな街に見えるが、内紛や人身売買が多く安定した生活を送るためには、何かしら商売をして一発当て富豪になるしかなく、とても人種差別が大きい国である「紳風」 最後の一つは全ての国のの中央に存在する全てに置いて中立の立場にある国「ジーク」 私はその内の国の一つ紳風に物として売りに出されていた、私は人ではなかった、白過ぎる肌、青々とした目、尖った耳、どこにでもいるような女性よりも低い身長、私は人間と獣人のハーフだった、そんな姿をしている私は私自身が嫌いだった、人間を羨んだ、恨んでも無意味だと分かっていた、だから考える事を止めた…
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