第4話◆住人

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渋谷に居た人達……まるで人形みたいだった。 それに破けた服が元通りになったり、何もない手の中にタバコが現れたり…… この世界、絶対おかしいよっ! 私は早くこの世界の事が知りたくて、真剣な面持ちで碧沃の話に耳を傾けていると、 「今は何も分かりません」 とだけ呟いた碧沃に、目をまんまるにした。 な、な、何ですとー??!! 分からないって、ちょっとアンタ! “説明”してくれるんじゃなかったのかーいっ!! その瞬間、私は妙な脱力感でテーブルに突っ伏した。 自分の今置かれてる状況が何一つ分からないなんて、こんな不安な事はないだろう……。
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