第4話◆住人

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相変わらず眉間に皺が寄って怖い顔だ。 この人は、笑った事があるのだろうか? “歩く彫刻” って程の極上のイケメンなのに、近寄れない。 ……一歩近づいたら、噛みつかれそうだもん。 「あの、もう一つの“日本”じゃなくて“東京”なの?」 「ああ、東京だ」 私の質問にも、神祁は表情一つ変える事はない。 しかも目を合わせようとしない。 何か、こういう態度ってムカつくんですけどー? 相手に失礼じゃん! 「どうして東京って分かるのよ?」 と神祁に詰め寄ると、「ああ、それならオレと穿が確かめに行ったの!」と言う旒柯。 癖なのか、自分の長い髪の毛を弄ってる。
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