第4話◆住人

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そこで、 「嘘じゃないわよ!」 と言ったのは榮茄だ。 綺麗な瞳に浮かんだのは、紛れもない本物の涙。 「し、信じられないっ! そんなの嘘だよ! 昨日まで普通にあったんだよっ!? 他の地域だって、国だって……私、……朝ニュース見たもん! 夜中から大雪注意報って……」 そういえば、何かが可笑しいと思ってたんだ。 この屋敷には……テレビがないんだ。 ……他の部屋にあるかもしれないけど、音楽とか……公共の電波を流すものが何もない気がする。 「心結さん、残念ですが……これが現実です」 と能面のような顔で言った碧沃は、この状況を受け入れてるのか、それともジタバタしても仕方ないと思っているのか、その心の奥は何一つ見えてこない。
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