第4話◆住人

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でも今日は怖いから、切符を買ってみよう。 あの覇気のない顔に、呼び止められたりしたくないし……。 無賃乗車で捕まりたくもない。 ……だけど。 この駅には、切符売り場というものは存在していなかった。 あの奇妙な人間達は、改札を何食わぬ顔で通っている。 改札に普通に駅員とかもいるけど、自動改札ではないらしい。 どう、なってるの? 恐る恐る私がその改札を抜けると、何事もなかったかのように時間が過ぎていく。 ……全然怪しまれずに通れた。 だから私は、品川方面の電車に飛び乗った。 まさか、あの人達の言ってた事は本当なの? この世界は、私達が住んでいた東京とは違う、もう一つの東京なの? しかも、……山手線内のみ? そんな事ってあるの?!
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