第4話◆住人

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背中が大きく開いたドレス。 アップにしている髪の毛、覗いているうなじが何とも憎たらしい。 ……名前は、榮茄(ハナ)といってとても美しい。 顔だって名前負けしていない。 だけど性格は、最悪に違いない! 「アオ、あれが新しい住人なの?」 「ええ、多分そうです。神祁が確かめたみたいですから」 「ふーん、やっぱり女なのねぇ」 玄関から廊下が真っ直ぐと伸びていて、その奥がリビングだと予想がつく。 そのドアへ向かって突き進んでいく榮茄さんと碧沃さん。 でも私は玄関のところで動けないでいた。 玄関といっても靴を脱ぐところもなさそうだから、玄関というかどうかは分からない。
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