第4話◆住人

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私はその後ろ姿を目で追ったまま未だ玄関で動けないでいた。 するとドアを少し開けて、ゆっくりと神祁さんが振り返る。 「入らないのか?」 「はっ、入るわよっ!」 と叫んだ私は、ダッシュした。 ドアを開けたままの状態の神祁さんを横目に、飛び込むようにその部屋の中へ…… だけどそんな私の足はすぐ止まる。 だって部屋の中に居る人達全員が、一斉にこちらに視線を移したからだ。 ……しかも部屋の中に居る人達は、私の知っている人ばかりだったのだ。 森で出会った穿と旒柯。 後から来た神祁と碧沃。 そしてこの屋敷にいた榮茄。 後もう一人は、まだお話した事はない。
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