第4話◆住人

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……そう思っていたら、「お前はそこだ」と神祁に指を差されて、ドアに一番近い席に着席した。 そこで、すぐに碧沃が席を立った。 「心結さん、驚かれたでしょう?」 「へっ?」 「この世界の事ですよ。まずは簡単な説明をしますね」 と言った碧沃は、真っ直ぐ私の目を見つめてくる。 ううん、碧沃だけではなく……ここの住人全員が私へ視線を向けていたのだ。 一体何なのよ! 気味が悪い……。 「実はこの世界は……」 碧沃が深呼吸をして言葉を続ける。 この耳に心拍数が聞こえてきそうだ。 私もゴクリと生唾を呑みこんだ。 覚悟を決めなければ、こんな非現実的な話を聞ける訳がないと思ったのだ。
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