高台にある家

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心配そうな顔で店長が言ったのを覚えている。 「ホントにバイク使わなくていいのか?」 「あ、はい。体を鍛えるのが目的ですから」 「そうは言うけどよ。なんも積んでない自転車でも、あの高台登るのは一苦労だぞ。それを山盛り新聞積んで・・・」 店長が心配するのも当然だろう。僕はひょろひょろとして、色白だ。僕が店長だとしても止める。 でも、それだからこそ体を鍛えたかった。もうクラスでバカにされたくないのだ。それにバイトなら仕事だから、そうそうサボることもない、と思う。とにかく自分を追い込みたかった。 「こっちはガス代かからないから大歓迎だけどよ。あとで泣き言言っても知らねえからな」 「はい!」
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