0人が本棚に入れています
本棚に追加
心配そうな顔で店長が言ったのを覚えている。
「ホントにバイク使わなくていいのか?」
「あ、はい。体を鍛えるのが目的ですから」
「そうは言うけどよ。なんも積んでない自転車でも、あの高台登るのは一苦労だぞ。それを山盛り新聞積んで・・・」
店長が心配するのも当然だろう。僕はひょろひょろとして、色白だ。僕が店長だとしても止める。
でも、それだからこそ体を鍛えたかった。もうクラスでバカにされたくないのだ。それにバイトなら仕事だから、そうそうサボることもない、と思う。とにかく自分を追い込みたかった。
「こっちはガス代かからないから大歓迎だけどよ。あとで泣き言言っても知らねえからな」
「はい!」
最初のコメントを投稿しよう!