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しばらく時間が経ち、ニアが目を覚ましベッドから起き上がると、自分のおでこには冷たいタオルが乗せられており、腕や足にはシップが貼られていた。
不思議に思い、ニアが部屋内をきょろきょろと見渡すと、テーブルの前に腰かけて、お茶を飲んでいるサトリとレイ二等兵の姿があった。
そしてレイ二等兵の隣には、サトリの造ったロボット・ベリーがちょこんと座って嬉しそうにクッキーをもぐもぐと食べていた。
「二人とも…どうやってこの部屋に…鍵閉めてたはずなのに…。」
ニアが二人にそう問いかけながら、ベッドから立ち上がろうとした瞬間、突然体に痛みが走って、ベッドの上でニアはふらついた。
「う…っ!?痛っ…!」
痛みでうなっているニアに、サトリは素早く駆け寄ると、ニアの体を擦りながら口を開いた。
「あんま動くなニア…安静にしてろ。トレーニングのやりすぎで体が悲鳴をあげてるぞ…。ほら、寝ころんどけ。」
サトリにそう言われたニアは反抗せず、言われるがままにベッドに寝転んだ。
「ったく…久々に焦ったぞ俺は…。レイ二等兵に会えたから、ニアも誘って訓練と手合せしようと思ってお前の部屋行ったら鍵しまっててさ。マスターキー借りて開けたら、お前眠ったまま痙攣しかけてたし。ほんと…無茶しすぎだばか。」
サトリはそう言いながらニアのおでこを軽くでこぴんした後、彼の頭を優しく撫でながら話を続けた。
「まぁ…あれだ。強くなりたい気持ちはわからないでもないけどさ…。そんな急に鍛えようとしたら、逆に体調崩すだけなんだから…今度からこういう無理は禁止な?」
「うん…わかったよ…、サトリ。」
ニアはサトリの言葉を素直に受け入れた後、優しい笑みをこぼした。
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