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ニアのその表情を見たサトリは、満足そうな顔をした後、ニアから離れ、レイ二等兵の傍に駆け寄ると、レイ二等兵の手を掴みながら口を開いた。
「ニアも目を覚ましたことだし…俺達、手合せ行ってk…うごっ?!」
すると言葉を言おうとしたサトリの頭を、ベリーがすかさずハリセンで叩いたのだ。
桜庭さんみたいだなとこの時思ってしまったのは、きっと僕だけじゃないと思う。
「いってぇ…なんでいきなり叩くんだよベリー…。」
サトリがレイ二等兵の手を離し、ベリーにそう聞くと、普段はほとんど喋らないベリーの口から言葉が出てきた。
「女の子の手をいきなり握るなんて…マスターはデリカシーがなさすぎます!」
「あ、悪い悪い…いつもロイとかニアを連れて行くときに手を握って行ってるからつい癖で…ごめんなレイ二等兵。」
サトリがレイ二等兵に謝りながら頭を下げていると、それを見たベリーがまた口を開いた。
「まったく…本当ならバズーカ撃つつもりでしたけど…レイちゃんが巻き込まれて怪我したら嫌なのでハリセンで勘弁しときます。」
「いやいやいや…!バズーカなんて撃たれたら俺死ぬから!てかバズーカなんていつ体に仕込んだんだよお前…。」
「この前アルフレッドさんに武器のカタログ見せてもらいまして、興味が出たのでマスターの貯金してる給料から買ったのです!」
ベリーから衝撃の事実を聞いてしまったサトリは、その場に膝を落とすと、俯きながら言葉をこぼした。
「お、俺の給料が…、新しいダガー買おうと貯めてたのに…ははっ…。」
そう呟くサトリの声は、小さすぎて生気がないように感じた。
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