7人が本棚に入れています
本棚に追加
少し経って、部屋に戻ってきたサトリが連れてきたのは、アルフレッドさんとガオ君、そして…。
「え!?ぜ、ゼル中尉?!」
ニアが驚いてサトリの方を向くと、サトリはにーっとした顔をしながら笑っていた。
やられた…。
サトリ…さっき僕がゼル中尉から逃げた事、絶対中尉本人に言ってるだろうな…。
じゃなきゃ忙しいのに来ないよね…ここには…うぅ。
「じゃあ、行ってくるぜ。またあとでなニア。」
「あ、ちょ、ちょっとサトリ待っ…!」
サトリはニアのその言葉を聞く前に、レイ二等兵とベリーちゃんを連れて部屋から出て行ってしまった。
サトリ達が出て行った後、しばしの沈黙が続いたが、その沈黙を破るかのようにガオ君が僕のそばにとことこと歩いてきて、口を開いた。
「ニアお兄ちゃん…体大丈夫かにゃ?」
「ありがとうガオ君、僕は大丈夫だから。心配してきてくれたの?」
ニアがガオ君の頭をなでながらそう聞くと、なぜかガオ君は一瞬目をそらしてから、首を縦に振ってうなずいた。
あれ?
いつものガオ君なら、こういう時に目そらしたりなんかしないのに…僕が普段のガオ君をあまり知らないだけかな…?
ニアが顎の下に手を置きながらその事を考えていると、突然ゼル中尉に話しかけられてしまった。
いきなりだったので、ニアは思わず緊張して、固まった。
ど、どどど…どうしよう…。
な、なんて返せばいいんだろ…逃げちゃってごめんなさいって言えばいいのかな…?
でももし、そのことをサトリが言ってなかったら、すごい気まずくなっちゃうし。
うぅ…わかんないよおぉ…。
最初のコメントを投稿しよう!