神か悪魔か

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街中を歩くと、カップルや夫婦の姿が目に付いてしまう。これまで数十年、女性に好意を持たれる事も無く、孤独に生きていた。 「……たった一人で良い」 俺は視線を下ろし、ツリと呟いてしまった。俺は立ち止まって辺りを見回してみたが、誰も気にかける様子は無かった。再び歩き始めると、心の中で呟く。 《たった一人で良い、生涯付き添ってくれる運命の女性に出会いたいもんだ》 そう思った瞬間、頭の中に野太い男の声で『願いを叶えよう』という声が響いた。 その瞬間、上からの衝撃。 霞む意識。 悲鳴と血。 そして女の手。
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