第1章

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煙草を灰皿に押し付けて、換気扇のスイッチを切ると部屋はシーンと静まり返る。 周りを見渡し、時計を探すと時刻は午前四時を少し過ぎていた。 今から歩けば始発電車は出ているだろうし、早く自分の家に帰ってぐうたらしたい。 そう思って、リビングに置きっぱなしのバッグを片手に、あたしはここの家から出て行くことにした。 ムカつくくらい広いリビングを後にして、玄関のドアをガチャリと開けて外に出れば、そこには一面の芝生と大きなシンボルツリー。 エクステリアの明かりがたくさんあって、あたしの車好きな父親が憧れてた車が今、あたしの目の前にある。 アストンマーチンone77。 ちゃんと車庫に入れとけよ、なんて思った後に疑問を持った。 奴は一体、何者なんだ?
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