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ベッドで眠る
温人さんの髪を
柔らかな髪を
手のひらで
味わうように撫でる。
「朝寝坊はできなかったけど
これで許してね……」
彼の手の甲に
手をそっと重ねながら
うっすらと髭の伸びた
彼の頬に口づける。
温人さんでも
髭が伸びるんだと
当たり前のことに
最後の最後で気付き
少し笑えた。
「ありがとう、温人さん」
そして、さようなら。
私を
守ってくれた人。
どうかあなたも
お元気で。
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