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「これから君には、今から始まるゲームの主人公をしてもらう。まぁ簡単に言うと勇者だ。」
男はそう言うと、颯斗の口を塞いでいたものを外し、パソコンを操作し始めた。
「はぁ!?何かの間違いだろ!!」
口の自由がきくと颯斗は男に問いだす。
男は颯斗の質問を無視し、話しを続ける。
「君が今からやるゲームは全て現実のものになる。もしかしたらゲームで受けた痛みや傷は、現在の自分の身体に影響するかもしれない。……このゲームはまだ非売品。君は私のゲームを、あの二人のように体験できるんだ、感謝したまえ。」
「お前……何を企んでるんだよ!!」
沸々と込み上げてくる怒りに颯斗は力任せに声を張り上げた。
すると男はパソコンを弄る手を止め、颯斗を見て答えた。
「私は何も企んではいない。まぁ、強いて言えば君等三人は……私のゲームの実験台だ。」
颯斗を見てニヤリと妖笑をした男は、自分自身にも頭に機械をつけはじめた。
「私が作ったゲームだ。…と言ってもまだ試作品だがな…。…完成度は高いから安心しろ。」
そう言うと男はパソコンのボタンを押した。
「ちょっ…待てよ!まだ話しは…」
「話しならあっちで聞く。…では、また後で会おう。」
男がその台詞を言い終えると、颯斗の視界が歪みはじめた。
「っ…糞っ!」
颯斗はそう呟くと強く目を閉じた。
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