此より、友達日和

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  「…いいよ。先行ってお前の分も席取っとくから。遅刻するなよ」   告白だかデートの誘いだかは知らないが、人に見られてちゃ気まずいだろう。   俺はにこやかにその場を立ち去った。   すたすたと足早に歩いていき充分距離を取った後、こっそり後ろを振り返る。   嬉しそうなあの子と優しく微笑むあいつが見えた。   「おい、頼人!」   いきなり肩を掴まれ驚いて振り返ると、見覚えのあるキャンパスメイトがいやに険しい面持ちで勢揃い。   「な、なんだよ」   その剣幕に思わず後ずさった俺には構わず   「何なんだよあいつっ!」   その内の1人が憤懣(ふんまん)やるかたないと言った様子で怒鳴ってきて。   「は?」   え、何どいつ。   こんな脈絡もなく八つ当たりされなきゃいけないような知り合いとか   「神原だよ神原!なんで急に関西弁じゃなくなったんだよ!」   考え込む俺(と言っても30秒も経ってない)に焦れたのか更に言葉を補足した。   ああケイト絡みな。   「なんか問題…」   親友として一応尋ねてみると   「「ありまくりだっつぅの!!」」   うっ…るさい!   ハモってまで主張するとか要らねえ!   「今まで以上にモテやがってうざってぇんだよ!」   「そのくせ抱きつき癖は変わってねぇし、最近では女共に何吹き込まれたのか知らねーけど、髪にキスとか新しい技身につけやがって…っ」   あああ唾飛んでる飛んでる──ってか技っておい。   しかも髪にキス?…初耳だ。   いやそれはまあ置いとこう。  
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