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勉強道具をショルダーバッグに詰め込みながら、ふうとため息。
華々しいキャンパスライフの幕開けからもう一週間が過ぎた。
…てゆうのに未だ行動を共にする友達がいない。
新しい生活、空間に慣れるのに必死で、それどころじゃなかったとも言える。
それでも一週間ともなれば、何とか日々のリズムが安定してくる頃。
いざ友達を作ろうと意気込んでみたものの、周りは既に幾つかのグループが出来始めていて。
今日も無事講義を終えたキャンパスメイト達は、楽しげに席を離れていく。
取り残され気味な自分はさてどうしたものだろう。
まぁ挨拶くらいは出来てるし、そんなに焦ることもないか。
そうだ、サークルでも入ろうかな。
気分一新、明るい気持ちで席を立つ。
すっかり思考に耽ってたらしい、周りを見ても自分以外人の気配がない…と思った矢先、斜め前方に1人の男。
それも何だかやたら背の高いド金髪で、ちょっと近寄りがたい感じ。
…なんだけど、何故か座ったままやたら熱心に机を見つめてて、気になってそっと覗き込んでみたらサークル勧誘のビラの数々。
急に親近感が湧いた。
こんなとこで1人でサークル選びに夢中になってるなんて、案外悪い人じゃないのかも。
「君もどのサークル入るか迷い中?俺もなんだー」
さりげなく声をかけてみる。
(え)
そして振り返った彼に思わず絶句。
青い瞳、白い肌、整った顔立ちに高い鼻。
──異人さん?
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