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いや相手にしてみれば俺が異人さんだ。
ってゆうか、髪自前じゃん。
但し髪形は今時っぽいアシメなのがちょっと日本的……
なこと考えてる場合じゃないっ!
うぉやば俺英語本気ニガテなんだけどっ!!
自分から話しかけたくせに固まっていたら、びっくりした顔で彼が口を開いた。
いや待てここは日本だ案外日本語がお出来にな
「…☆仝$#£*@§¢‡ΑΜΩ」
「っ!!」
まずいー!
完璧何かの呪文にしか聞こえないー!
呪文なら今すぐ俺に求むヒアリング的レベルアップ…!
「〆≠§≒∵∽♪‰?」
無理ムリむり。
まったくもって聞き取れない。
内心絶叫冷や汗だらだら背筋も凍る思いでいる俺に、彼も困った表情をした。
そ…そんな表情されてもなぁ……うぅ。
「あ~~……プリーズ、スロウリー……?」
ゆっくりだからって聞き取れるわけでもないのに、とりあえず何か返さなきゃ、必死になって絞り出した言葉がこれ。
中学生レベル乙。
「え、あっ……え、えろーすんません!やっぱ伝わってなかったんか……」
あんまりな語学力のなさに自己嫌悪する俺の耳に慌てた様子の謝罪。
目が点になる。
…今のって…
「関西弁…?」
思わずそう呟くと、ほっとしたように笑う。
「よかった、今のは聞き取れたんや?俺、神原(かんばら)ケイト。お袋がアメリカ人で親父が日本人のハーフやねん。仲良うしたってや」
「へ、あ、ああ?……入眞頼人(いるま よりひと)、です」
差し出された手を、気付けば自然に握りかえしていた。
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