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聞けば、ケイトは生まれはアメリカで中学まではそっちで育ったらしい。
お父さんはアメリカにいる間は大抵英語で話してたから日本語を聞く機会はほとんどなくて、だからケイトは少しも日本語が話せなかったんだって。
でも高校の途中で日本に戻ってくることになったから、慌ててお父さんやその知人達に教えてもらったそうだ。
だけどいざ高校に入っても中々馴染めなかった。
ちょうど仲良しグループが出来上がってる半端な時期に編入したせいもあるんだと思う。
けど察するに…一番の理由は多分、この関西弁。
どうやらお父さんはこってこてが好きだったらしい。
聞き取りにくい上にかなりの英語なまり。
初めて会話した人が、彼が英語で話してると思い込んでも無理はない。
誤解が誤解を呼び、高校はろくに友達も出来ず卒業、と。
…ついてないなぁ。
成り行きでお茶することになった学内のカフェで、カフェラテを啜りながら思う。
こうしてゆっくり話してくれれば何とか聞き取れなくもない。
さっきはちょっと焦ったけど、慣れれば見た目と中身のギャップも面白いし、なるほど親が関西系だけあって気さく。
今だってにこにこと人懐っこい笑みを浮かべてて、何だかこっちまで楽しい気分になる。
うん。
グローバルな友達ってのもありかも。
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