此より、友達日和

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  「よりひと~」   妙に癖のある情けない声が、自分を呼ぶのが聞こえ立ち止まった。   そして振り返るより早く抱きつかれ、スキンシップ慣れしてないせいで毎度のことながら動揺する自分にため息をつく。   いい加減慣れろ、俺。   「なに、ケイト。どうした?」   「またやってもた~」   問いかけると同時にがっくり俺の肩にもたれる。   それからいつもの自己嫌悪。   「…やっぱ言葉使い直さなあかんかな、俺」   「んー。別に、それが原因で嫌われたりってないと思うけどなあ」   にしても見られてんなあ。   ただでさえ美形で注目の的なのに、こんな風に人の行き交うキャンパス内でひっついてたら一緒にいる俺まで悪目立ちする。   宥めながらも周りの目を気にしてさりげなくケイトを引き剥がし、代わりにぽんぽんと肩を叩いてやれば不満そうな表情。   なんでだ。   「そんなにコミュニケーション上手くいかない?」   気にせずさっきの話に戻って問いかけると、思い出したように先を続ける。   「なんちゅーかこう、思っとること半分も伝わらへんし……女の子らだって変な反応多いやん?」   それは言葉使いってより、外人特有なのかお前のどっかズレてる感覚のせいじゃ。   もしくは顔。 もちろん『イケメン』的な意味で。   本人以上に真っ当な思い当たる節がある俺としては、一概にイントネーションや早口やらの問題だけとは頷けない。  
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