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由梨絵が眼を開くとその金色かかった茶色の眼をじっくりと覗き込んだ。
潤んだその眼は今、何を見ているのだろう。
俺を受け入れながら、見詰め合いながら、何を見ているのだろう。
その眼に映り込むものは俺じゃない。
そう思うと、押し込めていた感情が一気に込み上げて来た。
俺からの激し過ぎる刺激に顎を上下に動かし悲鳴に似た声を上げる。
ベッドの軋む音と由梨絵の鳴き声だけが、冷え切った部屋に響きわたり発していた熱を少しずつ奪い去って行く。
絡め合っていた指先に力が入り、思考と分離した身体が痙攣を起こし、俺自身を熱く絞めつけながら由梨絵は意識を手放した。
絡めていた指をはなし、腕の中の由梨絵を見下ろした。
頬に掛った髪を指先ではらい、頬に触れた。
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