第1章

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この身一つで家を飛び出してから、金があれば、ほとんどのものが手に入ると言うことを学んだ。 今まであたりまえのように無条件で身の周りにあったものが、全て親から与えられたもので、親と離れれば、携帯電話一つ契約出来ない自分がいた。 金銭感覚が、大きく人とずれていることも思い知らされた。 手の中にあったものが、手の届かないものになり、ものへの価値観がかなり変わって行った。 そして、金で買えるものより、金で買えないものの尊さだけが、浮かび上がり、心の中に沁み込んでいった。
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