第1章

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バタン ドアの音がして、ゆっくりと瞼を開いた。 窓からは、薄暗い日差しがボンヤリと差し込んで来ている。 まだ、日は明け切っていないようだった。 身体を起こすと、隣に寝て居たはずの由梨絵の姿はなかった。 付き合い始めて日が浅いこともあるが、夜を明かし初めてのことだった。 乱暴気味に抱いたことに腹を立てたのだろうか? もしそうなら、その感情は俺にとって嬉しいものだった。  由梨絵の感情が俺に向けられることはほとんどない。 拗ねたり、怒ったり…… 作り笑いより何倍も感情を感じられる。
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