書家と篆刻家
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「惚れるなよ、あんたみたいなのはまだケツの青いガキも同然だ」 誰が惚れるか。 斜め前から向けられる勝ち誇ったかのような視線に、私は慌ててその人を睨み返した。 再び視線を落とすとそこには何度見ても艶やかに光る流麗な文字が踊っている。 素人の私には書の何たるか、など何一つ分からない。 …けれど。 落ちた。 今、私の手の中にあるこの文字に惚れた。
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