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神菜「あっ、そうだ。弁当作ってきたけど食べる?」
内斗「マジで!?ありがたく頂くよ」
神菜「はい、どうぞ」
神菜は分かっていたかのように黄色い弁当箱を取り出して、俺に手渡してきた。
内斗「おぉ!ありがとな」
神菜「……良いってお礼なんか」
神菜の照れ臭そうで、かつ申し訳なさそうな表情。
そんな表情するくらいなら、早く自立して俺を安心させてくれ。
今のまま俺が居なくなったらどうするつもりなんだよ……。
神菜「嫌なこと言わないでよ……」
内斗「何も言ってないだろ。心を読むな」
神様、せめて俺のプライバシーは守って欲しかった……。
俺は深い溜め息を吐くと、徐に弁当の蓋を開けた。
内斗「……中身ぐちゃぐちゃなんだけど」
神菜「へっ?」
もう、混ざり会いすぎてひとつの料理になってる。
何をどうしたらこうなるんだ?
神菜「あ、あぁ……慌ててくる途中で落としちゃったからかも…………」
神菜が慌てて来たということは、恐らく鞄の中で超高速でシェイクされてたんだろう。
そんな状態で地面に落としたら、そりゃあこうなる筈だ。
寧ろ、中身が飛び散らなかっただけでも奇跡だ。
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