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ユキヤside.
初夏の風か心地よく体を包むこの季節。
俺達は、何ら変わりなく毎日軍人としての仕事を全うしていました。
戦争に行くなら行って、仕事をこなし、何もないなら平凡に自分のしたいことをする。
それが当たり前。
今日だって昨日と変わらない時間を過ごしている訳です。
きっと明日も明後日も同じ、何も変わらないこんな平凡が一番幸せ。
そう、俺は思っていますし多分俺の所属するこの黒軍のメンバーだってそう思っているはずです。
双子の兄としてこの世に生まれた俺は、兄としての自覚は十分と持っていると思っています。
けど、それは思うだけであって実際行動に移しているかと聞かれたら、すぐには答えられないのが事実。
弟のユキトは、双子だけあって俺と外見は瓜二つ。
多分同じ格好をしていれば、入れ替わっても誰も気がつきはしないでしょう。
ですが、俺たち双子は大きく違うところがあります。
それは、感覚、ただこれだけです。
簡単に俺は極度の寒がりであり、ユキトは極度の暑がり。
体感の温度が全くの真逆。
言葉の乱れやすいユキトと、言葉に気をつける俺との違い。
たったこれだけの相違ですが、周りから見れば大きく違うものだそうで。
やはり、それは自分では理解しきれてないところを他人は理解し、納得、解釈をしているわけで。
逆に俺にしか知らないような話だってなかにはあるのです。
それがやっぱりこの世界では当たり前のことてあり、普通のことなのです。
勿論、大人も子供も全然違う意見、行動。
両者が理解できないことの方が多い、それは人それぞれの都合が良すぎるから。
「ユキヤー」
名前を読んできたのは俺とほとんど似たような声。
そう、ユキト。
多分俺らは、一卵性双生児だろうと、つくづく思います。
「何ですか?
何かあったんですか」
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