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「君達は、あの地球では唯一異世界エニエルシアへの転生するに耐えうる魂を持っているんだ」
「〝あの〟? ってことは、別の地球にならいるんだな?」
「…………ッ」
言葉を詰まらせた謎の男。
痛いところを突かれたと、顔を歪ませるも直ぐに表情を戻す。
「そう、だね。確かに、平行世界に干渉すれば簡単に見つかるよ。けどね、君達でないとダメなんだ。私の持ってるこの《救世の魔眼》がそう言ってるんだ」
〝魔眼〟。と聞いて、二人はごく自然と謎の男の目を見た。
そして、ごく自然に意識をプツリと途切れらされた。
プカプカと海の中にいるように浮かぶ二人を見つめ、謎の男――救世神はただ一言、すまない、とだけ呟く。
「何故謝るのです? 救世神様。あなたの選択は常に正しい。無駄が多く、仕事をしないどこぞの最高神よりあなたは」
「イーヴ。あまりそういうことは言ってはいけない。彼は彼なりに、エニエルシアを救う因子を残してくれた。私が彼らを導く数は少ない。私が干渉すれば、同時に〝奴ら〟も干渉することができる」
「勝てるのでしょうか? 悪魔執行者(デビリオン)に」
救世神に寄り添うように女神イーヴは立って、少しだけある不安を吐露した。
救世神はイーヴに笑いかけ、柔らかな金色の髪を撫でる。
「勝てるよ彼等なら。――互いが互いを信じている限り、ね」
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