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「なあ、シンジ」
「何、レン」
「ここは……どこだ?」
「それは……僕も聞きたい」
同じようなやり取りをして、現状把握に勤めるレンとシンジ。
二人はまず、自分の腰に剣があることに気がつく。
二人は何の合図をせずに同時に鞘から抜き、近くに生えている木の枝を斬り落とした。
「いい剣だ」
「うん、そうだ――って、本物!?」
シンジが素っ頓狂な声を上げるなか、一方でレンはシンジを不審者を見るような目付きで見ている。
「ど、どうしたの? レン。顔に何か付いてる?」
「自分の剣を鏡にして顔を見てみろよ」
「えっ?」
シンジは言われた通りに剣を鏡にして、顔を見る。そこに映っていたのは、黒髪黒眼のシンジではなく、金髪碧眼のシンジであった。
自身の変化に目を丸くし、剣の鏡に映る自分とレンを交互に見る。
「何でレンは変わってないの!?」
「さあな。あのいけすかねえ男が言ってたろ。〝この世界に生まれたと家庭して〟とかなんとか。つまり、この世界だと、オレは変わらないけどお前は金髪碧眼のシンジってことだろ」
へー、と興味深そうに自身の顔を見るシンジだが、レンはというと、救世神の言っていたことを気にしていた。
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