桃色

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隣の県は あまり大きな店のない、山々に囲まれたお茶で有名な県だ。 限られた時間、あまり選ぶ事ができない私達は近くのトンカツ店に入ってみる。 どんな所でも嬉しかった。 「花……貰ったんだって? 長嶋くんが皆に言っていたよ」 注文したセットがくるまで、桃田さんと向き合いながら話す時間を不思議に感じてしまっていた。 「……面接みたい…」 私の就職活動中、まだ彼は課長だったのだけど、面接の際試験官として前に座っていた。 「そうか?」 笑いだした桃田さんは当時を懐かしそうに思い出している。 「あの時から雪は可愛かった」
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