桃色-2

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「元村さん」 翌日、出勤するとすぐに、 " 話があるから " と桃田センター長に応接室に呼ばれた。 「はい……」 ここは、私が就活の際に面接を受けた場所。 めったに入る事がないから少し懐かしかった。 「昨日は相談してほしかったな、事前に…」 ソファーに腰かけながら桃田さんは、そっと、私の肩に手を触れた。 「………すみません。水城さんから指定配達を受けたので」 『見られたくなかった』、そう言っているんだ。 「水城というカメラマンは、 嫁さんが掘り出した、これから注目される有能な男だと言っていた。 今は写真だけじゃ食っていけないから、 スタジオも経営してる。へんな客ではないらしい」 「……みたいですね」 一体、どうしたいのだろう? 「いつも、あんな風になったりはしないんだ」 夫婦間の仲良さの度合いを言い訳されて、 「息子の万引き問題で話合っていたら、 あっちが感傷的になってしまって……」 私にどう気持ちの整理をつけろというの? 「キスは雪以外とはしたくはなかったんだよ」 私の決意を揺るがして " 真面目 じゃない恋 " を持続させたいの? image=483262637.jpg
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