桃色-2

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「もう、わかりましたから……」 二人だけの空間とはいえ、 社内で向き合ってする話じゃない。 私より リスクが高いはずの桃田さんを思えば、 「息子さん、解決したらいいですね。」 それこそ感傷的な話に移りゆくのは好ましくない。 「雪!」 退室しようとした私を、 桃田さんは腕を掴んで阻んだ。 「俺は、雪とは続けていきたい。」 …____昨夜、ずっと 来ないメールを待っていた。 仕方ないと分かっても、連絡さえ自由にとれない関係に、 「私は、 迷ってます、考えさせてください」 小さな歪みを感じ始めていた。
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