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____普通なら、
よく知らない、異常だと感じていた客に、
突然、花をもらったり抱きしめられたり
…………キスされたら……
拒絶してしまうのが当たり前だと思うのに、
「なんで、抵抗しないの?
嫌がる顔も大好きなのに。」
才能ある、美しい容姿の男だからなのか、
「……傘で、刺した方が良かった?」
「それは、勘弁!」
異常だと感じた執着心にも、
いつの間にか
現実逃避するように、自ら飲みこまれていた。
「" 不倫 " は終わったの?」
水城は、一度離した唇を、私の耳元に近づける。
くすぐったくて、逃げようとした私の身体は、
パソコンデスクと壁と、
水城の細く硬い身体に完全に囲まれ、それを許して貰えなかった。
「……終わらせるしかないの……」
朝の、倒れそうな顔をした桃田さんを思い出し、
一気に現実に引き戻される。
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