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堀内に何かを嗅がされて気を失い、
目覚めた場所は、
見慣れた天井に、見慣れた家具と部屋の作り……
やはり、奴のマンションだった。
「……………」
まだ頭がボンヤリして
身体がすぐには動かない。
一体、何を嗅がされたのか…………
「!」
それだけじゃなく、
どうやら俺は、窮地に追い込まれているらしい。
「ユウ、よく眠ってたな」
見えない後ろから堀内の声がした。
「……なに、縛ってくれてるんだよ?」
俺は、
あの夜見た少年のように、身体を拘束されていた。
あろうことか………
「いつ見ても、綺麗な身体だ。
芸術的な均整のとれた身体、まだ未成年のように肌もキレイだ。」
俺は、
下着ひとつ着けてはいなかった。
屈辱と羞恥______
これ以外、何でもない。
「ド変態野郎!俺に何かしたらぶっ殺してそして、舌を噛んで死んでやる!」
あの少年のように、
こんな父親のような年齢の男に弄ばれるプレイを楽しむ余興心はない。
「聞いてんのか?!堀内っ!!」
こんな奴
もう上司でもないし、
「…さっきら、よく吠えるじゃないか、
野良犬が…」
業界から抹消されても
写真を撮る仕事をできなくなったとしても、
「舌噛めるなら、噛んでみるといい。」
こんな男と交わるなんて死んでもゴメンだ。
「ぐっ!!」
口に何かゴム性のボールのような物を押し込まれ
「頑張って、鼻で呼吸するんだ、窒息するぞ」
言った言葉とは逆に、
死にたくなくて
涙を流しながら
必死で空気を吸った。
「いつか、お前にも
俺の好きな世界が理解できるはずだ。」
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