七色

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「まさか、御焼香あげるつもり?!」 桃田さんを好きだった長嶋さん。 一度、彼女は彼に抱かれていた…____ ここに来るには、勇気が必要なのは、 私と彼女も同じはずなのに……____ 「中には入りません…………」 私は兎野さんに目で合図をして、中に入ってもらった。 「じゃ、死人や遺族に新しい不倫相手でもお披露目にやってきたの?! あの花の男の次は、やっぱり社内不倫?」 長嶋さんの、慎まない声が、 訪れる弔問者の視線を集める。 「あんたが、桃田さんを病気にしたのよ!」 彼女は、涙を溢れさせながら 私を 思い切り、ど突いた。
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