七色

13/20
前へ
/20ページ
次へ
確かに、 そう言われた。 だけど、 「信じられなかった…… あなたはあの人の愛人だから……」 "あなたを守る" と言ってくれたけど いつも、急に突き放すから 甘さと優しさの裏側が、時折冷たすぎて、 ____"バイバイ、捨て猫ちゃん" GPSをOFFにできなくても、 あなたの本心を見るのが 怖かった。 「……愛人契約を、もう終わらせたいんだ」 水城は、私の手を握ってきた。 「信じて………… どんな時も雪を守るから」 そう耳元で囁かれた声は、 きっと、嘘じゃないと、 自分の話中の審判員が結論を出していて 赤いゴルフの助手席に引き込まれるように座り、 残り雨の鳴き声が、 唇を重ねながら、 耳の中で心地よく響いていた。 ………私たちは、 背徳の罰を自ら増やしている。 例え、 2人を憎悪の色で見つめる目がいくつあろうとも、 二度と 水城から離れたくないと思った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

140人が本棚に入れています
本棚に追加