七色

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通夜に参列する資格はないと思った。 喪服に近い服を着ても、 斎場の駐車場で車内 躊躇する。 「元村さん、俺の渡す瞬間まで後ろで見てたら?」 兎野さんの気遣いに頷き、私は車を降りた。 2、3歩 歩いたところで いきなり、グイッ!と後ろから肩を掴まれた。 「どこまで、面の皮厚いのよ!!」 甲高い声が響きわたる。 振り返ると、 スッピンでも美しい、長嶋さんがいた。
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