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家に帰り、
久しぶりに満たされた気持ちで布団に入ると、
懐かしい夢を見てしまった。
………まだ お父さんが出て行く前の頃で、
私はお父さんとデパートのオモチャ売り場で何を買おうか、とても悩んでいた。
『何でもいいんだよ?
雪はいつもお利口さんだから、欲しい物を手にとってごらん。」
私は一人っ子でいつも両親を独り占めできていた。
兄弟はいなくても幸せで、だから、大して欲しいオモチャもなかった。
『これでいい』
私は、動物のキャラクターと、小さな鏡台が付いた小さな紙ケースを取った。
ファミリーや家や家具などを揃えたら、
かなり高額になるオモチャだ。
『うさぎちゃん1つでいいの?』
優しく私に問うお父さんは、まだ若くて、
よく見たら……
____水城の顔だった。
『今から集めるの』
お父さんとまた、今度買いに来たらいい、
ちょっとずつ立派なお家と家族を集める………
何の疑問もなく、そうなる日を信じて
父と買い物した幼少期………
まさか、
お父さんが家を出て行くなんて、思わなかった____………
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