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「……雪…」
水城は、少し照れたような、はにかんだ笑みを浮かべて
A運送の制服の私を抱き締めた。
「俺は、抱けなくても こうやってるだけで幸せだよ。」
まだ、クーラーを設置していないフローリングは蒸し暑いくらいで、
水城の身体を更に熱くかんじさせた。
「……うん」
ほんとは、
感じあいたい。
思い切りキスをして、
繋がって
水城が満ち足りた表情をしたところを、
もう一度、
見たい。
「あのね、大事な話があるの」
いつかは話そうと思っていた父の話。
私は、
自分の欲のために話を切り出した。
「雪、まず、下着と衣類、メイク落とし、買わなきゃじゃない?」
水城は、聞いてなかったのか、
私の顎を掴んで、
そして、顔をマジマジと見つめた。
「ちょっと近くのコンビニでメイク落としと化粧品、買ってくるよ」
「あ、じゃ、下着もお願いします。」
水城は微笑んでから
すぐに、アパートの部屋を、出て行ってしまった。
歯ブラシも、頼めば良かった……
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