紫Ⅱ

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「……雪…」 水城は、少し照れたような、はにかんだ笑みを浮かべて A運送の制服の私を抱き締めた。 「俺は、抱けなくても こうやってるだけで幸せだよ。」 まだ、クーラーを設置していないフローリングは蒸し暑いくらいで、 水城の身体を更に熱くかんじさせた。 「……うん」 ほんとは、 感じあいたい。 思い切りキスをして、 繋がって 水城が満ち足りた表情をしたところを、 もう一度、 見たい。 「あのね、大事な話があるの」 いつかは話そうと思っていた父の話。 私は、 自分の欲のために話を切り出した。 「雪、まず、下着と衣類、メイク落とし、買わなきゃじゃない?」 水城は、聞いてなかったのか、 私の顎を掴んで、 そして、顔をマジマジと見つめた。 「ちょっと近くのコンビニでメイク落としと化粧品、買ってくるよ」 「あ、じゃ、下着もお願いします。」 水城は微笑んでから すぐに、アパートの部屋を、出て行ってしまった。 歯ブラシも、頼めば良かった……
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