癒せぬ傷と同じ痛み

10/34
82人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
苦みの籠った作り物の笑顔。 そんな彼の表情から、私はある事を感じ取っていた。 それは、きっと・・・。 「いつも慧って、あまり自分の事を話してくれないよね。」 その言葉に含んだ精一杯の思い。 この言葉を、一体彼はどう受け止めるのだろう。 私の問いによって、慧の顔が一瞬引き攣った。 ・・・やっぱり彼は、私に素の自分を見せてはくれない。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!