212人が本棚に入れています
本棚に追加
「久しぶりだな、ユウ」
何年ぶりだろう?
地元に帰ってから一度も、声さえ聞いたことがなかった。
「…………なんで、日本にいるんだ?」
恐怖と嫌悪感で、
自分の声が震えているのが分かる。
俺をハメて、
歪んだ愛で地獄へ道連れにしようとした男……
「お前が上京したと業界で話題が持ちきりだったから、
俺はアメリカから帰国したんだ。」
指名手配中の男に、誰一人気づかない。
「……なんの用だ…?」
俺は、買い物かごを下に置き、ゆっくり後ずさりをする。
「顔色、悪いぞ?
一緒に連れてきた愛しい女が心配か?」
「!」
………まさか______
「お前を、俺から奪う者は、
どんな女なんだ?
所詮 相性がいいだけの仲なんだろ?」
雪にまで、何かする気なのではないかと更なる不安が俺を襲う。
「……お前に関係ないだろ?」
俺は、目の前の堀内を突き飛ばして、
アパートに戻るつもりだった。
奴の、横を通り過ぎたとたん、
わき腹から
ビリビリビリビリ!!と電流が入って
俺は、倒れ込んでしまった____
最初のコメントを投稿しよう!