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スタンガンが銃刀法にひっかからないなんて、絶対に間違っている。
それを保身に持つ人間なんか少ないはずだ。
俺は通常より高い電圧に細工されたスタンガンによる襲撃で
一瞬 意識が飛んだ。
目覚めた場所は、コンビニのトイレのようだ。
堀内に抱きかかえられ、
意識が戻った俺は、
「はなせ!」
力いっぱい、その憎たらしい顔を殴った。
「…………いくつになった?26歳か?」
俺に殴られても、その大きな図体はびくともしなくて、
再び 狭いトイレで思い切り抱擁された。
なにやら、トイレの外が騒がしい。
「年齢を重ねてもおまえは、綺麗だな」
パトカーのサイレンまで聞こえる。
堀内は、
大きな手で俺の顔を包むように
………キスをした。
昔、俺は、
あんたのその大きさに、
父親の影を見たんだ。
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