愛の言霊

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「・・・フッ。」 半開きの口元を震わせ言葉を捜したまま黙っていた私を見て、慧が思わず吹き出したのだ。 慧の表情には笑みが戻り、少しだけ車内の張りつめた空気が緩和されたような気がした。 「ちょ・・・っ、何だよ、その顔!!」 ぽかんと口を開いた私の顔を見て、慧は堪えきれずに笑っている。 そんな彼の反応に、私は頬を膨らませた。 「慧の方こそ、なんで笑うの!? 真剣な話、してたのに・・・。」 本当は誤魔化しだって気付いている。 慧は都合が悪くなると、いつも笑って誤魔化すから。 だけど今の私は、彼と同じように笑う事ができなくて・・・。
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