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「・・・!!」
慌ててベッドから跳ね起きる。
そして、自分の様を見て私ははっとした。
どうやら昨夜は疲れていて、いつの間にか眠ってしまったようだ。
昨日仕事から帰ったままの格好で、歯も磨かず、布団も掛けていなかった。
そして床に寝そべっていたはずのマロンの姿はなく、家の中もしぃんと静まり返っている。
耳に当てた携帯電話越しに、「今まで寝てたのか?」という声が聞こえる。
「うん・・・。
ってか、今何時・・・?」
寝起きで目が霞み、部屋の掛け時計の文字盤がよく見えない。
呟くように放ったその問いに、電話の主は現在時刻を私に教えてくれた。
「もう9時過ぎだ。
いつまで寝てんのよ、お前・・・。」
「あ・・・!!」
私を茶化すようなその口調。
ようやく私は目を覚まし、はっとして我に返った。
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