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そしてはやては涙を拭うと朱莉に微笑みかけながら
『それならしゃーない!じゃあ私らは整理がつくまでずっと朱兄ぃの側にいたる!』
『は・・・?』
はやての言葉を聞いた朱莉はその意図が理解出来ずに頭の上に?を浮かべている。
『だから朱兄ぃが心の整理が出来るまで安心して整理出来るようにずっと側にいたる!勿論皆も一緒にや!』
はやての言葉をやはり理解出来ない朱莉はシグナム達の方を向いて
『こんなこと言ってるけどいいのか?』
と聞くがそれに応えたのはヴィータだった。
『いいに決まってるだろ!例え悪者でもお前は絶対にはやてには手を出さないしな!』
『そうね!それに朱莉は悪者っていうより影でちょくちょく助ける女スパイが似合いそうだし!』
『何を根拠に・・・というか「女」スパイってなんだ「女」スパイって』
胸を張って自信満々に言うヴィータと何か妄想に浸るシャマルに対して朱莉は呆れたように言うが
『つまりそう言うことだ。朱莉』
『どういうことだよ・・・』
シグナムの言葉に朱莉はそう呟き大きなため息を着くと空を見上げ
(そうだ、しっかり俺の中でケジメつけとかないとな。そしていつかなのはやフェイトに言わなくちゃ、な・・・)
と心の中で呟く。
自分に何が出来るのか?何をすべきなのか?どうするのか?そんな事を考えてるその時だった。
『くっ・・・うぅ・・・』
すぐ側で突然、苦しげな呻き声が聞こえ視線をはやてに戻すとはやてが苦しそうな表情をしながら胸を押さえ蹲っているではないか。
『『『『(主)はやて(ちゃん)!?』』』』
はやての異変に気づいたヴォルケンリッターも急いではやての元へ駆け寄るが
『落ち着け!シャマル、これですぐに119番だ!とりあえず落ち着いた場所に持ってくぞ!』
『え、えぇ!』
朱莉は腰ポケットに入っていた携帯をシャマルに渡し他の三人に指示を出す。
『大丈夫かはやて!?くそっ!どうなってんだよ!?』
必死に声をかけるヴィータを見つつも朱莉は心当たりが一つだけありそれを心の中で呟く。
(ついに始まったか・・・。闇の書の侵食が)
そしてここから物語は幕を開ける。悲しい運命を背負った「闇の書」と、それに選ばれた主、管理局と高町なのは、フェイト・テスタロッサとイレギュラーである朱鳥雀を巻き込んだ後に「闇の書事件」と呼ばれる物語が・・・。
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