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『図書館にはよく行くの?』
『せやなぁ・・・他にやることもあらへんから』
朱莉ははやての答えにそう、と返しながら車椅子を押しながら街の中を進んで行く。
すると
『あのクレープ美味しそうだね!』
『じゃあ食べてこっか!』
と元気な声が正面の方から聞こえ三人組の女の子達が走って通り過ぎて行く。
そのうちの一人が朱莉へとぶつかって倒れてしまう。
朱莉は一旦はやてを安全な所に置いてからそのぶつかった女の子の所へ行き
『ごめんなさい、大丈夫?』
と手を差し伸べた所で気づいた。
自分とぶつかったのは見覚えのある茶髪の少女・・・高町なのはだった。
『大丈夫です。此方こそごめんなさい・・・』
『もうなのは!何やってるのよ』
『大丈夫なのはちゃん?』
朱莉となのはのやり取りに気づいたのか他の2人・・・アリサとすずかが駆けつけてきた。
『大丈夫よ、そちらこそ怪我無さそうでよかったわ』
『にゃはは・・・本当にすみません』
なのはは苦笑しながらもう一度謝ると何かに気づいたようにじっと朱莉の顔を見る。
『なにか?』
朱莉は首を傾げながら聞くとなのはははっと我に返ったような仕草をした後に
『い、いや!何でもないんです!ただ私達の知っている友達に似てたから・・・』
なのはの言葉に朱莉は微笑すると
なのはに手を頭をぽんっと置き
『そう、じゃあね。お嬢さん達』
と微笑んでから手を振ってはやての元へと歩いていった。
『朱兄ぃの知り合い?』
戻ってきた朱莉に対しはやてが聞くと朱莉は車椅子の取っ手を掴みながら
『いえ、違うわ』
と なのはを一瞥して微笑しながら歩き始めるのであった。
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『あの人・・・』
『綺麗だったね~』
なのはの呟きにすずかはおっとりとした口調で続ける。
なのはは車椅子の女の子の元へと歩いていった女性を見つつも
『まさか・・・いや違うよね』
『ん?今何か言ったなのは?』
と呟くがアリサに少し聞かれていたらしく聞き返されるとなのはは慌てて
『な、何でもないよ!』
と否定してからもう一度さっきの人がいた所を見ると既に居なくなっていた。
『じゃあ気を取り直して食べにいこっか!』
『そうだね!』
そう言って駆け出して行く2人。
なのははもう一度振り返るが首を横に振るとアリサ達の後を追い始めた。
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