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開けた読書スペースまで辿りついた2人は席に荷物を置きはやてが本を取ってくると言うので朱莉が変わりに行こうとするも
『本取るくらいなら大丈夫や!朱兄ぃも好きな本探してみぃよ』
と笑って行ってしまったので朱莉はその間に本を探しに行くフリをして1番奥の方の本棚の所へ行き、報告を行っていた。
『現在対象がよく来る図書館にいるわ。まだ対象の体には変化なし、闇の書ってヤツも昨日確認したけどまだ発動する気配はなかったわ』
《そうか・・・はやて君は楽しそうかね?》
朱莉の報告を聞いた後、グレアムは何気なくはやての様子を聞いたが朱莉は鼻で笑うと
『そんな事聞くのなら直接会って聞けばいいわ。グレアムおじさん』
《・・・すまない。私にこんな事聞く権利などなかったな》
と嫌味っぽく言うとグレアムは気を落としたように静かに言う。
朱莉はそんなグレアムの様子に少しイラっと来るのを抑えつつも
『まぁ、元気なのは確かよ。むしろ勝手に騒いで勝手に喜んで・・・バカみたい。付き合うのも一苦労だわ』
と腕を組み壁にもたれ掛かりながら冷たく一言吐き捨てるように言う。
グレアムは一瞬眉を潜め朱莉を見るがすぐに元の顔に戻り
《とにかく、引き続き頼む。守護騎士が現れたら気をつけろ》
『言われなくても分かってるわ。じゃあね』
朱莉は返事を返すとすぐに通信を終了させて通信デバイスを弄びながら窓の外を見る。
近くに公園があるらしくそこからは眩しい太陽の下で元気に遊ぶ子供たちの姿が見えていた。
そして朱莉は無意識のうちになのはやフェイト、はやて、かつて一緒だった人物達を連想してしまうが
『本当は、私なんて日陰者で充分なんだけどね。眩しい子達の側なんて合わないわ』
と嘲笑しつつデバイスを腰のポーチへとしまうと適当な本を取ってはやての所へ戻るのだった。
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そしてその日の夜だった。
ガタッ!!
はやての部屋から大きい音が聞こえ多大な魔力反応を感知し朱莉は急いではやての部屋に行きドアを開けると
『ハァッ!』
朱莉目掛けていきなり凶刃が襲いかかってきた。
朱莉は顔を逸らして回避すると
『でぇぇやぁぁぁ!!!』
今度は赤いおさげの女の子が鈍器を振りかざし朱莉目掛けて襲いかかってきたではないか。
朱莉は振り下ろされる前に素早く懐に潜り込むと上手く鈍器を手で抑え女の子の手首を掴む。
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