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『信じられん』
開口1番、発せられたのはその言葉だった。
その言葉を放ったのは先程のピンクのポニーテールの女性、シグナム。
彼女はそう言いながら朱莉を鋭い目で睨みつける。
『そうだ!あたし達の攻撃を簡単に躱せた上に反撃出来るヘルパーなんていてたまるか!』
シグナムの言葉にヴィータが続ける。他の面々もどうやら同じ考えらしく朱莉を不審な目で見ていた。
朱莉はそんな四人に
『なら貴女達が言う主・・・はやてが起きたら聞くといいわ。それに避けられたり出来たのは少しそういう事をやっていたからよ』
と余裕の表情で返す。
が、訝しげな表情で睨むばかりで四人の警戒は未だ解けないままだ。
朱莉は
(これははやてが起きるまで無駄ね)
と思いつつもとりあえず降参したように両手を上げつつ
『わかった、全て話すわ。私はヘルパー兼はやてのボディーガードよ』
『ボディーガード?』
聞き返すシグナムに朱莉はそう、と頷きながら続ける。
『せっかくはやてにヘルパーを送るならボディーガードもつけた方がいい!って依頼主がね。はやてもまだ小さい女の子なんだから何があるかわからないでしょ?』
朱莉の言葉に四人は顔をしかめつつも何やら目で話し合い始める。
朱莉はその様子を見て
(バレバレな程の念話ね・・・)
などと内心呆れつつも四人の話し合いが終わるのを待つ。
そしてその結果出た答えが
『我が主の反応を見て決める。もし少しでもお前に主からの信頼が無かったらその時は・・・斬る』
だった。朱莉は内心少し不安に思いながらも
『いいわ、じゃあはやてが起きるまで一時停戦といきましょうか』
と余裕の表情で啖呵をきった後に四人の格好を改めて見て思い
『それと・・・いつまでその格好でいる気?』
『我らは格好には拘らない。ただ主の為に忠を尽くすだけだ』
と問いかけてみるがツンとした態度で返されて終わった。
がしかし彼は見逃さなかった。
(後ろの金髪、少し恥じたわよ?)
朱莉はそう心の中でからかった後、監視の為にソファに座り
『大した忠義心なこと』
と微笑して暇つぶしも込めて四人の動きを観察していた。
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