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しかし、誰が相手だろうと負けるわけにはいかない。
幸い、おそらく朱莉は戦い慣れをしていない。恐ろしく鋭い勘とそれに着いて行ける思考をフル活用して戦っているのだろう。
それに私達は四人で戦っている。
それに対し、朱莉は1人。どれだけ力の差があろうと数と技量で補えるハズだ。
そして私は他のメンバーの様子を一瞥して確認する。
・・・うむ、シャマルの回復によってまだ充分戦えそうだ。
《恐らく朱莉は戦い慣れしていない。そこを突くぞ》
《了解》
《わかったわ》
私は他のメンバーに念話を飛ばして指示を出し、シャマルとザフィーラがそれに答える。・・・ん?
《ヴィータ、聞こえていたか?》
《あ?あぁ!わかった!》
唯一返事がなかったヴィータにもう一度聞くと今度はしっかりと返事を返した。
まぁ、無理も無いだろう。我ら四人の中で一番朱莉に懐いていたのはヴィータなのだから。
だからこそはっきりさせないといけない。害が無いようなら今まで通り暮らし、あったなら・・・斬る。
そう私は心の中で再び決心すると目の前に立ちはだかる朱き魔人を見据えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雀はまず回復役のシャマルに狙いを定めてファイラMISを両手から放つ。
が放たれた火球はシャマルまで届かずザフィーラの手によって迎撃される。
(成る程・・・)
雀は心の中の中でそう呟くと背後まで迫って来たシグナムが迫っており
『紫電一閃!』
炎を纏った斬撃を放ってくるが雀はそれをウォールで防ぐ。
すると逆サイドからザフィーラが拳を振りかざし襲いかかってきたのでもう片方の手でウォールを使い攻撃を防ぐ。
がしかし
『!?』
突然雀の両手首と両足首にバインドがかかり雀は今すぐにでも解除したいがそうするとウォールが破れるのでウォールの強化に努めつつ
(シャマルが回復、ザフィーラが・・・まさかの盾役か。シグナムはリーダーでヴィータはアタッカーってところか)
冷静にヴォルケンリッターを分析しながらウォールの隙間、つまりサイドからヴィータが何か薬莢のような物をいくつか出し、手持ちのハンマー型のデバイスを片方が尖り、片方がブースターを搭載したデバイスへと変形させてくるヴィータを見る。
『ラケーテン、ハンマァァァァァ!!!!』
咆哮し猛スピードで突っ込んでくるヴィータを見つつ雀はあらかじめつけていた保険を発動する。
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